吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。73歳老人。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「びびって社交ダンスを始められなかった老人の過去」です。
趣味をみつけることは想像以上に難しい
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
けっきょく、びびって何にもできないヤツは多い。
それは大きなことばかりじゃない。趣味に至るまでだ。
俺は、過去2度社交ダンスを始めようと考えた。
しかし、結論としてはやらずじまいで、73歳を迎えてしまった。
それは、びびって行動に移せなかったからだ。
何年かに1回、中高年やシルバー世代の間で社交ダンスはブームになる。
健康にいいからと始めて、選手権で賞を獲得する人もいたりする。
俺もそんなかんじに憧れた。
では、なぜできなかったのか。
びびりを「合理化」したことは一生の後悔になる
俺がダンスを始めようと思ったのは、50歳にさしかかる頃だ。
ダンススクールはは、金がかかるので、市でやっているダンスサークルに入れてもらおうと電話で問い合わせた。
しかし、そこはレッスンというより、社交ダンスに覚えのある人たちが各々勝手に踊り、発表会をやったりするような集まりだった。
素人の俺は、そこで浮き上がるのではないか。
そう思うとびびって、行動に移せなかった。
一度見学の予約を入れていたが、無断で欠席した。
俺は、ちょうどその頃、異動で新しい業務を行うことになったので、「仕事が忙しいから趣味どころではない」と自分や周りに言いきかせたが、それは嘘だ。
ダンスサークルでなじめない自分が怖かっただけだ。
その1年後、リベンジとばかり、社交ダンススクールに入会した。
入会金・月謝を支払い、初スクールの日にちもきまっていたが、その日にお袋が倒れて行けなかった。
お袋の一命あはとりとめたが、その後もダンススクールには1度も行くことはなく除名された。
正直に言うと、俺はお袋の「危篤」にホッとしていた。
ダンス教室に行かなくてもいい理由が見つかったからだ。
自分にも周りにも、「お袋がこんな状態だから趣味どころじゃない」と言いまわったが、それは嘘だった。
入会金を払いに一度スクールに行った時、ダンスの先生に威圧感を覚え、足元がくすんでしまっていた。
すでにそこで負けていたのだ。
俺は、ダンスをはじめられないのを「仕事」だの「母親」のせいにして、自分の弱さから逃げている。
これを「合理化」っていうんだね。
気が付けば73歳、老人アルバイターという後戻りできないところまできていた。
言い訳をせず、自分の弱さと真剣に向き合うべきだった。
後悔してるよ。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
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