吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「スピン企画 悪口ばかり言う女版老人アルバイター」です。
昼のスーパーはババア地獄
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
この12年ほど、色んなバイトをやってきた下流老人だ。
そうとう昔、深夜スーパーでアルバイトしたことがある。
もちろん、「深夜スーパー」という業態はなく、普通のスーパーの深夜の時間帯で働いていただけなのだが、人出不足ということで、昼の時間にも呼ばれることが多くなった。
昼のスーパーのバイトは、ババア地獄である。
ババア ババア ババア
生き地獄とはこのことだ。
イオン系の小型のスーパーのとある部門。
総勢10人に満たないパート集団だが、大きな派閥が二つあり、激烈気の強そうなババア2人がし対立し、牽制しあっていた。
林下景子(62歳)と細川ほそ美(61歳)。
林下は白髪頭、細長くお化けみたいな顔。細川は小柄で肥満、黒縁のメガネをかけて、強烈な口臭を吐き出していた。
細川は俺を子分にしようとして、アメをくれたり、やたらと俺に仕事を指示してきたりしてきたので、めんどくさいので子分になってあげた。
気に入らない林下は、俺に嫌がらせをしてくるようになる。
あの頃は生きた心地がしなかった。
悪口ばかり言う女版老人アルバイター
林下、細川の2大巨頭。
その下に、もっとややこしい女がいた。
パート集団のナンバー3、高畠由里子(54歳)。こいつはやっかいな女だったのだ。
どっちつかずで、どちらにも卑屈な態度をする。
そのくせ、自分より後に入った者には、高飛車で、イジメたり高圧的な態度で接していた。当時、中国人の留学生のバイトもいたのだが、虐待に近い態度をしていた。
そして、高畠はいつも誰かの悪口を言っていた。
そこまで言うかというくらい、悪口のオンパレード。
とにかく悪意をもって何でも解釈する女で、うすら寒い気持ちにさせられた。
後でわかったのだが、高畠の歩き方はどこかおかしかった。
高畠は、生まれつきに臼蓋性形成不全で、右変形性股関節症となる。現在、人工股関節を入れている障害者だった。
旦那も同じ病気で、高校生の息子もその症状を遺伝させていた。
あくまで推測であるが、障害者の高畠は、子供の頃からイジメられて卑屈になり、ネガティブな性格が形成されたのではないか。
もちろん、障害をもって生まれた方が全て卑屈になるとは言えない。
しかし、高畠の性格の悪さと下肢の障害と何らかの因果関係があることは否めない。
そう考えると、高畠を同情の目で見られるようになり、ヤツの誹謗中傷も気にならなくなった。
あんたも、つらかったんだねって。
さて、林下と細川の派閥争いだが、思わぬところで決着がつく。
林下の命令で、高畠が匿名で「細川の接客態度が悪い」と店長宛にクレームの手紙を出した。
真に受けた店長は細川に厳しく指導したのだ。
怒った細川が、「子分」の俺を使い、林下のクレームを店長に書くよう命令したが、俺もあまりにもつらかったので、ことの流れを店長に通報した。
ことの重大さに気づいた店長は、2人をクビにするというところに着地したのである。
晴れて高畠がナンバー1になったが、俺も違うバイトを見つけそこを辞めてしまった。
その後、そのスーパーには行っていない。
みんな、昼のスーパーはババア地獄だから気を付けろ!
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