吉田ゴンザブロー
老人アルバイター評論家。昭和24年生まれの団塊の世代。老人アルバイターの特徴を解説し、それを通じて世相を鑑みる「愛の語り部」。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。彼こそが、真の老人アルバイターであり、自他ともに認める人格者でもある。「老害」「死んでほしい」とさげすまされても、けっして引かない姿勢が信条。(写真はイメージ)
老人アルバイター評論家の吉田ゴンザブローだ。
「孫と老人アルバイター」というテーマで書かせてもらっているが、少し本線からずれてしまうけど許してくれ・・・。
今働いている職場に、以前スズカワという20代半ばの若い女がいた。事務をやっていた。
ある朝、出勤時にスズガワとすれ違った。挨拶したら無視された。聴こえてないのかなと思い、もう一度大きな声で「おはようございます」と言ったが、また無視された。
愛想のない女だと思っていた。
老人アルバイター仲間に聞いてみた。「スズカワって女、愛想ないね。あいさつしても無視するよね。」
同僚達の反応は意外にも違った。
「いや、スズカワちゃんはいい子だよ。愛想いいし。あの子ちゃんと挨拶するよ。」
気のせいか・・・。
数日後、またスズカワとすれ違ったので、大きな声で挨拶したらまた無視された。どうやら、俺だけ無視されているのがわかった。
けっこう傷ついた。俺はスズカワと会うことを避けるようになった。
スズカワのことばかり考えるようになった。スズカワが休みの日は安心した。すれ違って無視されることがないからだ。
奇しくも、スズカワの下の名前は孫と同じだった。
しばらく、孫の名前を呼べなくなった。
2年くらいして、スズカワは横領してクビになった。
ほっとしたよ。
コメント