吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。
団塊の世代の星、老人アルバイター評論家・吉ゴンです。
俺が働く弁当工場の後輩で、陣谷孝昌(58)という男を紹介したい。
陣谷は俺より10歳以上年が若いくせに、見た目は60代に見えるほど老けた顔をしている。
90歳近い父親と同居。クルマもない。20キロメートル離れたバイト先まで自転車で通っている。ま、しょーもない中高年フリーターだ。
最近の言葉で、「こどおじ」とも言うね。
聞いたところ、陣屋は、いまだに独身で、さらに童貞とのこと。まあ大きなお世話だが、ヤツには一つだけ気になることがある。
それは、やたらと「いいニオイ」がすることだ。
加齢臭気味の老人アルバイターが多い中で、ヤツの香りはずば抜けて爽やかだ。
どうも、洗濯する時、柔軟剤の「ダウニー」を使っているらしいのよ。
芸人のハチミツ二郎の受け売りらしいが、10年以上続けているらしい。
陣谷は、橋本環奈ちゃん好きな、キモイ初老アルバイターだが、まだまだ結婚願望は捨てていないらしい。
「おい、陣谷。お前、まだ結婚あきらめてないのか?」
『もちろんですよ。でも最近少しあせってて。60歳までには何とか結婚したいんですよ。』
陣谷、ガンバレヨ・・・。
心の中でつぶやいた。
それにしても、中高年アルバイターの闇は深い。陣谷までいかなくとも、泥沼にハマり、先が見えない40代。50代は数限りない。いわゆる「ロストジェネレーション」というやつか。
国は、性急に対策を練らなくてはならないね。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
コメント