吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「定年後夫婦で旅行にいくのはやめなさい!」です。
定年後夫婦で旅行に行きたがるバカジジイ
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
新年度になり、新たに老人アルバイターの仲間入りしたみなさんは新しい生活にはなれましたか。
俺のバイト先にも、最近入ってきた男がいたので、ここに紹介しよう!
宅間栄二(64歳)だ。
宅間は、一昨年3月役職定年を機に大企業を退職。高校を卒業してから、継続して働いていたという。
「学歴はないものの、運よく出世できましてね。時代に乗れたってやつかなー」
そして退職記念に、長年苦楽をともにした妻と旅行に行った。
「会社を辞めてすぐ嫁と旅行に行ったんです。4泊5日で沖縄。でも全然面白くなかったですよ。いや、行かなきゃよかった。嫁といっしょにいてもクソもいいことなんかないですよ」などと宣っていた。
その後、サウナかカフェで時間を潰す日々を2年も費やし、家に居場所がないということに気がついて、バイトに来たのだと言う。
「年金は特別支給の老齢年金に長期特例が適用されているので、ほぼ満額です。だから働かなくても全然問題ないんですが、まー、ヒマつぶしにバイトでもしようかと思いまして」
まあまあな年金額に関してはうらやましいが、こういうタイプの男は老後を幸せに生きることは難しいと感じるね。
勘違いする初老男子 旅行がつまらないのはむしろ嫁のほうだ
宅間は、たいへん勘違いしている。
夫婦での旅行が全然面白くないと思っているのは、むしろ嫁のほうなのだ。
ずっと、62歳まで役職がついていた旦那なら、帰りも遅く家ではほぼ夫婦の会話はないだろう。
そんなヤツと、今さら旅行に行って何が楽しい?
ちょっと前まで、大企業で部下から奉られていた男だ。会社を辞めたって、クソなプライドにまみれたバカジジイなんかといっしょにいたくはないだろう。
奥さんだって色々とコミュニティがあるだろうし・・・。
「亭主元気で留守がいい」ってのは、定年後からの話だということを忘れてはいけないのだよ。
その証拠に、宅間は家での居場所が作れない。
2年経ってもその状況から抜け出せないのは重症だよ。
だいたい、長期特例だか特別支給の老齢年金だか知らないが、そんなことを自慢するんじゃねーよ。バカ野郎。
今、宅間が苦労をかけた奥さんにできる唯一のこと。それは、毎日バイトに出かけること。家にいないってのが、一番の嫁孝行だ。
だから、いっしょうけんめいやらなくていいから、バイト先で、ただただ、その場所に居ることだよ。
そう、老人アルバイターが求められているのは、「ただそこに居る」ということ。
それを受け入れられたなら、あんたは家に居場所を見つけることができるだろう。
頑張れよ、宅間!
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
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