吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺は今、のっぴきならない理由で、大手コンビニ弁当工場とスポーツクラブの会員専用駐車場の2つのバイトを掛けもっている。
スポーツクラブの会員専用駐車場では、毎日面白い事件が勃発しているので、みんなに紹介するぜ!
会員専用駐車場では、毎日事件が起きている
スポーツクラブの会員専用駐車場というくらいなので、利用者は100%そのクラブの会員だ。俺はあまり「お客さんと仲良くしない派」なのだが、唯一飲みに行った人がいる。
阿南純一さん(69歳)。もう5年くらい昔の話だ。
阿南さんは現在年金暮らし。元々大手薬品会社で管理職をしていた。穏やかな語り口のナイスミドル。最初は挨拶程度だったが、ある時猥談で大盛り上がりし、意気投合した。
そこで、近々飲みに行くことになってしまった。本格的に夏を迎える少し前の頃の話だ。
居酒屋での「差し飲み」は、概ね2時間といったところか。まずまずの盛り上がりであった。
「また、行きましょうね」といって別れた。
花火大会が大嫌いな老人アルバイター、嫌われる・・・
しかし、なぜか、それ以降、阿南さんは俺を無視するようになるのだ。
何故だ。意味がわからない。
阿南さんと仲のいい、同じ会員さんの海老沢さんにそれとなく聞いてもらった。
海老沢さんが聞いた話では、どうも、その「差し飲み」で、俺が「花火大会」をディスったことにカチンときたらしい。
夏の風物詩・花火大会。しかし、へそ曲がりの俺は大嫌いだった。花火そのものが嫌いだったわけではないが、ひとの集まるところに、やたらとささりこんで来る人間達に、まるでシンパシーを感じなかった。
「嫌ですねー、花火大会。あんなもん見に行くヤツはバカですよ」
いい酔い加減で、悪げもなくそう言ってしまった。
花火大会を楽しみにしていた阿南さんは、たいそう傷ついたということらしい。
阿南さんは、それ以降俺を無視し続けた。その1年後、奥さんの実家のある神戸に転居するということで、スポーツクラブをやめてしまった。
俺は、それ以来お客さんとは飲みに行かないと、固く心に誓っている。
そして、はっきり申し上げておく。
俺は花火大会が大嫌いだ。
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