吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。73歳老人。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「タケモトピアノのCMから見る社会構造」です。
財津一郎の横にいるダンサーはゲラゲラ星人(吉本興業所属)に似ている
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
タケモトピアノのCMを見ていていつも思うのだが、あれほどつっこみどころの多いCMはない。
超一流コメディアンの財津一郎が、何の前触れもなく、「ピアノ売ってちょーだい!」とささやき、ヘンテコな踊りを踊る。
そして、ゲラゲラ星人(吉本興業所属の売れない芸人)みたいなバックダンサーがいっしょに踊りだすあの映像を見て、驚かない人はいない。
すごいインパクトである。
まあ、最初はその程度で見ていたのだが、すごいのはそれだけではない。
まず、あのCMの寿命の長さだ。
かれこれ20年以上やっているのだが、これはタケモトピアノがいかにすごい会社の証拠だ。最近は、プロ野球のスタジアムのフェンスにも「タケモトピアノ」の広告を載せている。
タケモトピアノって、「ピアノ売ってちょーだい!」の歌のごとく、いらなくなったピアノを買い付けて、中古のピアノを売っているだけでしょう。
それで、何十年も商売が続いているなんて、ちょっとすごくねー?
だって、本やCD売ってちょーだいってわけにはいかないんだよ。ピアノだよ。ピアノ。
何十万もする代物だよ。
それを「売ってちょーだい!」っ言って、「はい、わかりました」ってそんな簡単なものなのかって。
つまり、それだけ、ピアノを一度購入したものの、挫折したエセピアニストが世の中にいっぱいいるってことだよ。
どんだけ、ピアノ挫折してるの、この国。
それは、俺らのような団塊の世代ではないはずだ。
俺たちは貧乏な世代だから、ピアノなんか買ってもらえなかったからね。
たぶん、俺より一回り下くらいの世代がそれにあたるのではないか。
あの世代は、けっこう家にピアノのある家庭が多かったような気がする。ヤマハピアノ教室なんかの先生が訪問して教えていたんだよ。
受験戦争が激化する頃とリンクする。
それにしても、中古のピアノが出尽くしたらどうなるのだろう。
タケモトピアノ廃業するのかな?
知ったこっちゃないが。
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