吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」「死んでほしい」とさげすまされても、けっして引かない姿勢が信条。(写真はイメージ)
老ター評論家、吉ゴンでおま!
さて、今日は、性癖について考えてみたい。
俺は常々思っている。
SMについての世間のイメージが、あまりにも「雑」すぎやしないか?
よく、社長にMの趣味の人が多いと言われている。自分がトップで、いつも部下を痛めつけているから、今度は自分が痛めつけられたくなり、M志向になるなんて言われているが、これはバカな都市伝説にすぎない。
社内では王様のように振る舞い、常にSのポジションにいるから、今度は自分がMになって痛めつけられたくなる。
たしかに、わかりやすいストーリーだ。
しかし、そんなところに落とし込むのは何か違うと思う。第一、社長は社内ではSでいられても、業績含め社会的な責任というのは計り知れず、それこそ、多額の借金に追われたり、クレームをいってに引き受けることもある。つまり、対外的にはじゅぶんMなのだ。
そもそも、人の性癖を理屈で語ることがおかしい。社会的地位や日常生活がどうあれ、Sが好きなヤツは好きで、Mなヤツは徹底的にMだ。
老人アルバイターとしてはちょいと若いけど、城之内修二(51歳)は筋金入りのMだ。
城之内は、49歳の時、30年以上務めたローカルスーパーをリストラされた。10年以上商品統括部で活躍したが、何故か首を切られた。
城之内の不幸はそれで終わらない。失業保険受給中に奥さんから「何もいらないから別れてほしい」と離婚される。その後、収入が断たれ自己破産。ローンで買った一建家を閉め出された。高校生の息子は引きこもり、中学生の娘はぐれた。
いわば、不幸の三冠王、いや四冠王だ。
城之内は精神が不安定になり、心療内科を受診する。一時は自殺も考えたらしいが、社会復帰後のバイトの給料で何をしたと思う?
SMヘルスに行ったんだよ。
日常生活でSだから、性癖がMになるとか、そんなのウソだ。
城之内は、日常でこれ以上ないくらい痛めつけられた。つまり日常生活はMだ。しかし、それでもお金を払って、縄で縛られ、鞭でぶたれ、手錠をかけられて、快楽を得ているんだ。
人の性癖は理屈じゃ語れない。
そんな矮小なところに落とし込むのは間違いである。
城之内は言う。「バイト代を握りしめて、女王様にぶたれた時、生きていてよかったーって思いました・・・」
城之内は今も元気に弁当工場で働いている。
ジョー、ガンバレヨ!
心の中でつぶやいた。
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