吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「自称・元カリスマ営業マンの老人アルバイター」です。
元カリスマ営業マンは薄口な話しかできないバカ
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
老人アルバイターの世界には、様々な経歴の持ち主がいる。
俺のバイト先のひとつ、スポーツクラブお客様専用駐車場には、自称「カリスマ営業マン」というヤツもいた。
下山智之(63歳)は、現役時代は薬品会社でMRをやっていて、たいそう成績がよかったらしい。
たかがバイトの履歴書の備考欄に、あえて「現役時代はトップセールスマン。接遇はだれにも負けません」などと意味のないアピールをしていたバカモノである。
まあ、ある程度の実績はあるのだろうが、「トップセールスマン」「カリスマ営業マン」というのは眉唾ものであるというのがバレるのに時間はかからなかった。
ある日、バイト先のお客様で、駐車場に来た方は、20代の不動産屋の営業マンだったのだが、最近仕事が伸び悩んでいるというのを聞いた下山は、その20代の営業マンに向かって説教をはじめた。
「俺は、若い頃薬品の営業をやっていて、カリスマ営業マンと言われていたんだよ。あんたに営業の極意を教えてやろう」とイキりだした。
20代の営業マンは、とてもやさしい若者だったのだろう、下山のですぎた態度に嫌な顔ひとつせず、『おー、ぜひ教えてください』と殊勝な態度で臨んだ。
調子に乗った下山は続けた。
「あのね、営業は相手があって成立するの。だから、まずは相手に好感をもたれることが大事。向かいにいる人間と同じ行動をとれば、モノは売れるんだよ。例えば商売したい相手が足をくんだら、あんたも足をくむ。相手が頭を掻いたらあんたの頭を掻く。それを実行できたら、あんたはトップセールスマンだよ」
薄口な話である。新人キャバクラ嬢に教育係の先輩が話す内容じゃん。
なんとも飽き足りない「営業術」だ。
俺は、見かねて、「ごめんなさいね。お客さん。こいつバカだから相手にしなくていいよ」と帰るように促した。
もうひとつあった。下山の話では、相手の気をひくのに有効なのが「手品」らしい。
「手品をやれば、完璧に営業成績が上がるんだよ」とバカげたことを言っていたので、もうこいつと話すのをやめることにしたよ。
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