吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
団塊の世代の星、老人アルバイター評論家の吉田ゴンザブローじゃ。
この前、Twitterのタイムラインに、加藤諦三先生の名言があがっていたが、その言葉はとてもふるっていた。
「やたらと人にごち走する人を決っして信用してはいけません」
今ならわかるが、ずいぶん奥の深い言葉である。
40年以上前に免許を取る際、自動車教習所のYES・NO形式の適正検査があった。
その質問のひとつに、「やたらと人にものをあげる」というのがあった。当時、質問の意図は全くわからなかったが、今ならわかる。
やたらと、人に物をあげたり、奢ったりする人は寂しい人だ。自分に自信がないから、物で釣るしかない。
虚栄心が強くて、ヒステリックで、大ウソつきだ。
そんな奴が運転したら、非常に危険だ。正気を保つことも難しいだろう。
老人アルバイター仲間の藤原貞利(66)もそのタイプだ。
急の用事で休みたい時は、変わってほしい相手に高いシュークリームや珍しいヨーグルトを買ってきた。「すいません。これで休み変わっていただけますか」と。
最初みんなは、とても丁寧な男だとっていたが、違った。
交渉が成立して、休めるようになった途端に、逆に恩着せがましくなる。「物を受け取ったんだから当たり前だ」と。
そのくせ、何もない時は、ぜったい奢らないし、ボールペンすら貸してくれなかった。また、意味不明に偉そうで、「実は4つの会社を経営していて暇つぶしにバイトに来ている」とかわけのわからない自慢をしていた。
俺は藤原の態度が気に入らないので、ヤツが、イヤホンでラジオを聞いている時に、そのラジオを取り上げ踏みつけてやった。踏みつけて、イヤホンの線をハサミで切った。
藤原は烈火のごとく怒ったが、俺も一歩も引かない。
人目のつく歩道で殴り合いのケンカになったが、見知らぬ歩行者が警察に通報し、ケンカは終わった。
その後藤原とは3ヵ月口をきかない状態が続き、藤原は自然に消えていった。
老人アルバイターの現場でよくあることだが、黙っていなくなる奴は多い。
これが、老ター現場の実態だ。
俺はいまだに藤原を許していない。
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