老人アルバイター ライン屋のバイトで若者と友情が芽生えた話

老人アルバイター「おもしろエピソード」
吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「老人アルバイター ライン屋のバイトで若者と友情が芽生えた話」です。

 

道路区画線工事のバイトで元ヤンキーのお兄さんにいじめられた話

むかし、道路区画線工事のアルバイトをしたことがある。

道路区画線工事とは、横断歩道とかセンターラインを敷く仕事なんだけど、毎年春に短期のアルバイトの募集がある。俺はそのバイトをやったことがある。ライン屋ともいうね。

もう10年近く前のことだ。

2週間ほどの地方遠征があって、宿泊先で荒くれもの達にこっぴどくいじめられた。人生ではじめての屈辱だった。

一番厳しかったのは、ダイちゃんと呼ばれていたお兄さん。

ダイちゃんは、当時27歳。

鋭い目つき。威圧感のある大柄な体格。パンチパーマ。地味にタトゥーを入れている。

不良だらけの高校に行きながら、キャバクラでアルバイトをしていたんだけど、朝起きるのがつらくて自主退学。キャバクラの主任をやっていた時期もあったが、昼の仕事が恋しくなり、その会社に入ったらしい。入社は6年目とのこと。

ダイちゃんは見た目通り、ガラの悪い男だった。

「おいジジイ・・・」

父親ほど歳の離れた俺をつかまえて、こう呼んだ。

「おいジジイ。次変なことしたら、肛門にゴーヤ入れるぞ、覚えておけ!」

初日にミスをした俺の胸ぐらをつかみながら、怒鳴りちらした。足がふるえた。

ダイちゃんは、気の弱そうな俺をいじめの標的にしていたのか知らないが、俺ばかり怒られていた。

もう辛くて辞めて帰ろうとしたその日である・・・。

 

老人アルバイター 元ヤンキーのお兄さんのオナニー現場を目撃する

俺はつらくて、泊まりこみの民宿の風呂に入ってから夜逃げしようと決意したんだ。

遅い時間に、誰もいないだろうと思って風呂場に行ったら、なんとダイちゃんが排水溝のところに四つん這いになって(右手は股間に当ててたから、正確には三つんばい)オナニーしていた。

ヤバいものを見ちまったなーと思い、踵を返そうとしたそのタイミングで、ダイちゃんはフィニッシュした。その数秒後である。

「おいジジイ、ちょっと待てよ。あんた風呂入りにきたんだろう。なら入っていけよ」

ダイちゃんはしぼんだちんちんに右手を添えながら、優しく俺を呼び止めてくれた。

「吉田クン・・・」じじいから吉田クンに呼び方が変わっていた。

「吉田クン、いつも怒ってばかりでごめんな。お詫びに背中流してやるよ」

そう言いだすと、ダイちゃんは俺の背中を流してくれた。

「あんた言いやすいからさ、ついあたっちゃうんだけど、もう少しでバイト期間も終わるから、辞めないで頑張ってくれよ」

ちんちんの先からは、残りの液が滴り落ちていた。

その晩、朝まで(といっても始業は午前3時だから寝ないで)二人で飲み明かした。

その時、俺とダイちゃんは、年齢を超えて友情が芽生えていた。夜逃げをする気持ちも一気に失せてしまった。

ダイちゃんは、俺に優しくなったのは、オナニーシーンを見られたからなのか?

いや、そうではないだろう。ていうか、そんなことはどうでもいい。

ダイちゃんと俺は、今でも年に1回くらい会って飲み明かす仲である。

男の友情は固いんだね。

 

※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
吉田ゴンザブローについて
老人アルバイター

昭和24年生まれ・団塊の世代、吉田ゴンザブローは今日も生きる、生き続ける。「老害」「死んでほしい」と言われようが絶対に引くことはない。『老人アルバイターは、夢はないが、ささやかな幸せがある!』この言葉を信じて、2つのアルバイトを掛けもちする。スーパー老人アルバイター(評論家)・吉田ゴンザブローはブログで生き様を発信し続けます!

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