吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「70代以上の老人は固形石鹼を使いがち」です。
固形石鹼を愛用する老人はキャッシュレス時代についていけない
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
老人アルバイターの趣味で一番多いのが、スーパー銭湯などの公衆浴場に入って時間をつぶすことだ。
我々のわまりの老人も、休みの日(といっても時給労働者なのでただ失業しているにすぎないのだが)は、近所のお風呂屋でゆっくりするという輩が多い。
俺は、「時間をつぶす」しかない行動が大嫌いだが、以前、老人アルバイター仲間の浅川実(70歳)から誘われていやいや付き合ったことがある。
浅川は元高校の教員。
焼酎の水割りの薄口を毎日飲む、けち臭いやつだった。
そして何より、神経質な男。
脱衣所で復を脱いだ浅川の体は虚弱としかいえぬものだったが、驚くのは、その貧相な体だけでなく、持ち物だった。
銭湯備え付けのボディーシャンプーがあるにもかかわらず、わざわざ固形石鹼をもってきていたのである。
「ボディーシャンプーも嫌いじゃないんだけど、やっぱり固形石鹼だよね」
若い人は理解できないだろうが、70代以上の老人は固形石鹼を使いがちである。
ボディーシャンプーは後から入ってきた文化のため、どこか信用できないのである。
液体の石鹼など、俺たち団塊の世代のものから見たら、それこそ「漫画」なんだよ。
俺は、特別「固形派」ではなく、また「液体派」でもないが、なぜか両方用意していないと不安になる。
なんというか、老人はキャッシュレス時代になかなかなじめないといったイメージなのかもしれない。
だから、あえて浅川が固形石鹼を持参したのを目撃して、「あー、やっぱりね」と確信したというのが正直なところだ。
ところで、そのあと事件が起こる。
俺は、そんな浅川にシンパシーを覚え、「おい浅川、石鹼貸してくれ」といって手を伸ばし、直接チンチンにつけて洗ってしまったのだ。
ちょっと失礼だったかもしれないが、これは習慣だから仕方ない。
神経質な浅川は、おれのちんちんにダイレクトについた固形石鹼を二度と使うことなく、「もう、それ、あんたにあげるよ・・・」とふてくされた。
俺は、申し訳ないと思ったが、ぜったい謝らなかった。
たかだか、チンチンくらいでなんだ。
ホント神経質な人間は嫌いである。
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