吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人アルバイター同士仲良くし過ぎるとろくなことはない」です。下流老人パワーを見せるぜ!
人間関係腹八分ということを肝に銘じよ!
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
美輪明宏先生がいつか言っていたが、「人間関係腹八分」が大事なのだそうだ。
仲良くするのはいいが、それも程度問題。「ほどほどにね!」ってことだろう。
これは老人アルバイターの現場にも言えることだ。
バイトの現場でジジイ同士が仲良くし過ぎて、結果トラブルにつながることは多い。
それは、パートのおばさん達がやらかすものと何ら変わらないのかもしれない。
飲み会の一次会での盛り上がりを、朝の朝まで続けることなど、どだい無理な話なのである。
仲良くし過ぎた老人アルバイター達の悲劇
俺は会社を辞めてから色々なバイトを経験しているが、そこでは壮絶なイジメを何度か経験している。ぞんざいに扱われることは茶飯事だ。
そのため、バイト先で少しでも優しくされると勘違いしてついつい舞い上がっちまう。
俺は、実はバイト先で意気投合し、けっこうな頻度でお茶をしたり、飯を食ったりした男がいた。
石野勝男というおれより5歳年下の男なんだけど、なんとなく意気投合し、仲良くなってしまった。
石野は70歳になったら「老人野球」をやりたいと顔を紅潮させ語っていた。
俺は、長生きして、令和生まれの女の子とSEXしたいという夢を話した。
恥ずかしいはなしだが、毎日メールのやり取りもしていた。いっしょに銭湯にも行った。野球も見にいった。まるで中学生の親友みたいにつき合っていたんだねこれが。
しかし、そんな「幸せ」は長続きしない。
それは些細なことがきっかけだった。
石野は体が弱く体力がない。ヘビースモーカーがたたって肺気腫にかかってしまった。
それ以来、俺に会う度、「今日顔色悪くない?」って必ず聞いてくるようになった。
「今日どう、顔色悪くない?」
『だいじょぶ、だいじょぶ。顔色いいよ。』
最初は気を遣ってそう言っていたが、そのうち面倒くさくなった。
『あー、顔色悪い、悪い。死ぬんじゃないの!』
つい言ってしまったんだねこれが。
それから、石野は俺を避けるようになってしまう。共通のバイト仲間に夜電話してグチグチ言っていたらしい。
吉田はデリカシーのない男だって。
そして、俺達は口をきかなくなってしまった。
何となく気まずい時間が二人に流れた。1年半経過した。
その後、石野は今年の3月10日、肺がんを患い大学病院へ入院。40日の入院生活を余儀なくされ。今は二回目の抗がん剤治療と闘っている。
メールで励ましの言葉を送信したが、返信はいっさいなかった。
石野、悪かった。お前が復帰したら、俺は毎日「顔色いいよ!」って褒めてやるよ。
だから、あの時の「失言」を許してくれ。
早く復帰できるよう、老人アルバイター一同、祈っているから。
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