吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「神経質な老人アルバイター 地下鉄に乗れない男の悲劇」です。人生100年時代、まだまだこれからだぜ!
老人になっても神経質な性格はなおらない
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
老人アルバイターの現場にも、病的に神経質な人間はいるものだ。
あらゆる些細な出来事に反応し、大げさに驚き、傷つき、そして泣きわめく。
65歳を超えたジジイになっても、その性格はいっこうになおることはない。
俺はこういう人間達を、「S(神)・K(経)・S(質)」(以下、SKS)と呼んでいる。
SKSなやつらといっしょに仕事をしたら最後、「傷ついた」だの「死にたい」だの「ワー!!!」だの「キャー!」だの「ハラスメント」だのといちちうるさいったらありゃしない。
自分だけが傷ついていると勘違いしている人種。それがSKS。
老人アルバイターの中にも、そんなSKSはいっぱいいる。
地下鉄が怖くて乗れない老人アルバイター
俺のバイト先の同僚、山里知宏(65歳)は、超がつくほどの神経質な男。まさにSKSの人である。
誰もが気にも留めないあらゆる出来事に過剰に反応する、キ〇ガイさながらな人間であった。
しかし、山里の経歴はまあまあ普通で、一流大学を出て大手薬品メーカーに入社。そこに長年従事し、総務部長まで上り詰めたとのことである。リタイアし、ヒマを持て余しバイトに来たということだ。
そのプロフィールがウソかと思われるほど、神経質で気持ち悪い男だったが、自分でもそういう性格を隠そうと、何やら鉄パンの「面白トーク」を何個か用意していて、雑談のすき間に差し込んでくる。
「俺はトマトが嫌いだけど、トマトケチャップは好きだ」とかそういう話だ。
60歳過ぎのジジイの偏食の話を聞いてだれが喜ぶというのか。死んでほしい。
陽気な性格を自己演出しているのだろうが、痛々しく、さらに深いな気分にさせられる。
ちなみに、山里はの好きな言葉は「前向き」だ。
SKS、はなはだ迷惑な存在である。
地下鉄が怖い 雨でも自転車で出勤する老人アルバイター
山里は、自宅からバイト先まで約30kmの距離を自転車で来ていたが、その理由は「地下鉄に乗れない」からだ。ちなみにうちのバイト先はクルマ通勤禁止である。
「地下鉄に乗ると、異常につかれるんだ。乗り降りする乗客すべてのことが気になって仕方ないんだよ」
乗客すべての人生?何百人いるんだ。
「その人の仕事、家族、趣味。すべて気になる。そうこうしているうちに卒倒してしまったことがあるんだ」
どんだけナイーブなんだよ。ちなみに山里はコンビニにも一人で行けない。
そのクセ、人一倍おしゃべりでムカつく。
「あの人は、今日ヒゲを剃っていない」だの、「工事現場の監督さんのサングラスがガラが悪い」だの、「焼き芋屋の焼き芋はいくらか知ってるか?」とかくだらねー話ばかりしている。
大嫌いだ!
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