吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「元NHK職員の老人アルバイター」です。定年後こそ人は試されています。
元NHK職員の老人アルバイター
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺のバイト先のひとつ、弁当工場での出来事を話したい。6年くらい前の話である。
その弁当工場は、大手コンビニに卸しているくらいの大きな工場なので、かなりの人数がいて誰が誰だかわからない。
俺の担当はパスタだ。多い時には200㌔くらい平気で茹でるときがあってけっこう大変だ。
これは喫煙所でおきた面白エピソード。
米飯担当の米山浩二(当時64歳)のはなしである。
米山とは、喫煙所ではじめていっしょになった。人懐こい性格で、人見知りの激しい俺にも気さくに話しかけてきた。
「俺は、昔NHKで働いていたんだ」
聞いてもいないのに、いきなりこう切り出したんだ。
何か始まりそうな予感がした。
爆笑問題の田中育て、笑福亭鶴瓶とはマブダチ・・・
NHKで働いていたという米山はムードのある男だった。
小柄で、頭頂は薄いがロン毛で後ろを縛っている。売れないパーカッションプレイヤーのような髪型をしていた。
「これでも一応、番組のプロデューサーもやっていたことがあるんだよ。担当番組は有名なところでは「鶴瓶の家族に乾杯」だね。地方に泊まるんで、夜は旅館でどんちゃん騒ぎなんてしょっちゅうだった。鶴瓶もいっしょに飲んだな。あいつとは今でもラインでやり取りする仲だよ」
えー、鶴瓶師匠と友達なの?
「古いところでは、BSでやっていた『家族対抗 ふるさとチャンピオン』も俺の担当した番組だよ。なぎら健壱と若き日の爆笑問題がやっていた番組。爆笑の田中はまだつっこみが下手でねー。俺が随分指南してやったんだよ」
まさか・・・、うーちゃか(田中の二ックネーム)を指導していたとは驚きである。
俺はすっかり、米山の虜になった。
『米山さん、NHKの話、また聞かせてください』と挨拶し、別々の部署についた。
俺はうれしくなり、色々な人に、米山がNHKでプロデューサーをやっている話をしていたら、工場長がこう切り出した。
「え、米山さんって米飯の?あの人NHKなんかじゃないよ。たしか、製造の仕事かなんかしていたはずだ。吉田さん、だまされてるんじゃない?」
それで、米山はNHKじゃないってことがバレてしまった。
米山はただの虚言癖だったんだね。俺はすっかりあいつの与太話を信じていたんだ。
俺って人がいいね。自分でもあきれるよ。
米山は今でも、弁当工場で働いている。
最近は朝ドラ・「カーネーション」を担当していたと、パートの中国人女性に語っていた。
尾野真千子を育てたと・・・
あきれてものも言えないね。
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