吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「スポーツクラブは終の棲家 老人アルバイター死の恐怖を語る」です。
老人ホーム化するスポーツクラブ
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺のバイト先のひとつ、スポーツクラブ会員専用駐車場。
今のスポーツクラブって老人ホームみたいなもんなんだよ。客はお年寄りばかりで、小金持ちのジジイとババアが開店前から、わんさと入口の前で並んでいる。
最初、なんとも羨ましいと思っていた。ある程度お金と時間に余裕がある老人。これこそ理想の老後だなって・・・。
しかし、それは違う。
ヤツらは、老い先短い人生とは裏腹に、何もすることがない日々に苛まれている。行き場がないけど、家にも居場所がない。
そして、「死」と背中合わせの毎日。ありあまる退屈な時間は、常に現実を突き付けてくるからやっかいだ。
死ぬのも地獄。生きるのも地獄。それが老人である。
スポーツクラブの会員さんが肺がんで死去 最期にかわした言葉とは
最近、懇意にしている男性会員さんが亡くなった。
藤山直次さん。享年72歳。肺がんだった。
毎日、クラブに通っていたコアな会員さんだったが、がんが発覚して入院してから2ヵ月で死んじまった。
「俺、今日でここ退会するよ。どうも肺がんみたいなんだよね。しばらく治療に専念するから、元気になったらまた戻ってくるよ」
これが、藤山さんの最期の言葉だった。
入院から2ヵ月で死んじゃうってことは、それまで病状は相当進行していたし、自覚症状もあったと思うけど、その時もずっとクラブに通い続けていた。顔色も悪かったし、少し痩せて見えた。
今思えば、つらかったんだろうね。家で寝ていたいけど死の恐怖に苛まれて、どうしようもなくて、スポーツクラブに来て紛らわしていたんだ。
老人は常に処刑台の上にいるようなものだ。いつ死を宣告されてもおかしくない。
そんな中で、日々充実した生活をどう送ればいいのか。
もちろん何も考えていない奴らがほとんどだろう。
しかし、深いところで、誰しもがそんな不安と闘っているのは間違いない。
ああ、我が人生・・・
とりあえず、しこって寝るか!
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