老人がデカい声を張り上げるスーパーの駐車場誘導員

老人アルバイター泣ける話
吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!

 

老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。

足元が悪い日々でございます。皆さま転倒にはくれぐれも気を付けて。

さあ、今日も老人アルバイターの現場の素晴らしさを発信するよ。

 

会社理念は「あいさつできる警備員」「しゃべれる警備員」

だいぶ昔だが、土日だけスーパーの駐車場誘導員をやったことがある。

スーパーのお客様駐車場で、「こちらでございまーす!」なんて言っているあれである。

スパー側が警備会社に委託している。もちろん採用はその警備会社だ。

土日だけの仕事だから楽だと思って始めたら、サイテーな会社だった。

その会社の理念は「あいさつできる警備員」、「しゃべれる警備員」だった。

要するに、現場で、無駄に大声をださせる警備会社なのだ。

社長の奥さんだか専務だかしらないが、気の強そうなおばさんが言うには「この厳しい世の中、人と同じことをしていてはダメ!うちは他の警備会社との差別化をはかって大成功した」とのことだが、バイト代は最低賃金だった。

かの有名な純喫茶「アンナミラーズ」はウエートレスにミニスカートを穿かせることで、他店との差別化をはかったが、バイト代は相当高かったはずだぞ・・・。

『スーパーの駐車場は警備員じゃなくてもできるから』と、座学をすっとばし、いきなり実務研修が始まった。

 

デカい声を張り上げるスーパーの駐車場誘導員

その実務研修やらは、とても過酷なものだった。

会議室で、同じ時期に入った20歳くらいの男の子3人と、いっしょに整列して、「声だし」の訓練をさせられたのだ。

俺は60歳過ぎてるんだよ。

 

「いらっしゃいませー」
「ありがとーございまーす」
「こちらでございまーす」

 

それを誘導棒を持って2時間くらいやらされる。たまんねーだろ。

最後に「卒検」を行うということで、社長の前でもそれをやらされた。

声が小さいとか、背中がまるまっているだの、社長からさんざん怒られたあと、30分くらいして「よし、全員合格!」

ということで、翌日から現場への出動がきまった。

スーパーの駐車場で、変なジャンパーを着せられ、朝の10時から夕方5時まで、声を張り上げて客を誘導する。

飽き足りない。ほんと飽き足りないぜー。

無事初日が終了して帰れると思ったら、今度は反省会だ。

35歳くらいの現場リーダーが「新人さん、ここは給料は安いがやりがいがある現場。今後も頑張ってくれ」との言葉に完全にやる気をなくした俺は、その日でバイトを辞めてしまった。

その時の給料はまだもらっていない。

 

※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。

 

 

吉田ゴンザブローについて
老人アルバイター

昭和24年生まれ・団塊の世代、吉田ゴンザブローは今日も生きる、生き続ける。「老害」「死んでほしい」と言われようが絶対に引くことはない。『老人アルバイターは、夢はないが、ささやかな幸せがある!』この言葉を信じて、2つのアルバイトを掛けもちする。スーパー老人アルバイター(評論家)・吉田ゴンザブローはブログで生き様を発信し続けます!

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