吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人スーパー列伝 スイカを1000玉出した話」です。人生100年時代。今からでもおそくねーぜ!
スーパーのバイト スイカ1000玉の品出し
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
老後はバイト三昧の日々を送っている。老人がバイトをしていても何もいいことはない。
昔、ハケンのバイトで、スーパーに派遣されて働いたことがある。
日曜だけの仕事。労働時間は朝8時から17時まで。
時給は最低賃金。
作業内容は、スイカの品出しだった。
まー、1日だけの仕事だから、楽勝だと思っていたらとんでもない。
なんと、スイカ1000玉を品出しする仕事だったのだ。
なんでも、特売でスイカ1玉500円で売るのだという。
販売チーフに「吉田さんはスイカを出すだけでいいから」と言われたが、どうも全て一人でやらなければいけないらしい。
スイカは1箱に2玉入っている。それを500箱、ドライバーさんと2人でトラックから下ろし、コンビとかいう大きな台車20台に25ケースごと積んで、はじに寄せておく。
そしてコンビを1台ごとに売り場に運び、特設催事場とかいう大きなスペースに箱ごといっぱい並べる。
ちなみに、スイカは1玉5㎏ほどするから重くてしょうがない。
もうこれだけで目まいがした。
なんせその頃、俺はすでに60歳を超えていたのだから。
老人アルバイター スイカ1000玉出し切るも・・・
スイカは箱ごと置いておけばそれでいいと思っていたが甘かった。
スイカ一つ一つに、手で持ちやすいようネットをかけなければならない。
これを1000玉すべてにかけるんだ。たまらんよ。
それだけでない。
2玉1箱入りのスイカの空き箱500個を全てきれいに畳んで、お客様段ボールのコーナーに置いていかなければならない。
それでもなんだかんだと1000玉出し切った。朝8時にトラックの荷下ろしを始めてからずいぶん時間が経っていた。気が付けば15:00、昼休憩もしていない。
一応、勤務時間は17:00までだが、スイカを全て出すという目標をクリアーして、疲れ果てたので帰りたかった。
売り場のチーフに「スイカ全て出したんで、もう帰っていいでしょうか」と言ったら、17:00までの契約だからと帰してくれず、別の若い社員のテコになって野菜の品出しをさせられた。
その社員は25歳くらいの生意気な男で、入社3年目。
めちゃめちゃ調子こいているヤツで、親以上に歳のいった俺にもタメ口どころか、命令口調で、「早くやれよ」とか、「どんくさいね、おじいさん」だとか暴言を吐きまくる。
俺は休憩もせず、スイカ1000玉を出してるんだ。なんで、こんな若造に威張られなきゃならないんだ。
そう考えているうちに、めちゃめちゃ腹が立ってきて、気が付けば大根でその若造を殴ってしまった。
スーパーの売り場でやってしまったから、大問題になり、俺が所属する派遣会社の社長が謝罪しにきて、俺は解雇。
その日の給料も40パーセントカットされてしまった。
おお、おお、ケンカ上等じゃ。
生意気なスーパーの店員、かかってこいや!
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