近所のスーパーに森繁久彌というチェッカーがいる?

若者へ贈る言葉

吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家) 

昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「近所のスーパーに森繁久彌というチェッカーがいる?」です。

 

レジのバイトを辞め声優を目指した女の話

老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。

俺の行きつけのスーパーのレジ(チェッカーというらしいね)に、気になる女の子がいたのだが、最近やめてしまった。

20代後半くらいか。赤ら顔でにきび面、小太りで油っこい髪。

しかし、声は素敵で、「大根、○○円でーす⤴」との声がめちゃめちゃ伸びていた。

名札を見ると「森繁(久)」とある。

森繁久彌?

いや、まさかだろう。

森繁久恵とか森繁久代とかいうんだろうけど、俺たちは陰では「森繁久彌」って呼んでいた。

ていうか、名札に「(久)」とあるのは、同じ店に同じ苗字の人間がいるということだろう。たぶん家族がその店の社員で働いているんだろうね。

まあ、それはどうでもいい。

顔なじみの、魚売り場の契約社員のおじさん・川内さんから聞いたところ、森繁は高校1年生の時にレジのバイトを始めたのを皮切りに、地元の大学に通うようになっても引き続き同じバイトを続け、就職がきまらないと5年間もパートでレジをやっていたという。

余計な世話だが、つまらない人生を送っていると思っていた。

その森繁が、最近レジのバイトを辞めた。

魚売り場の川内さんの話では、「このままの人生では、悔いが残る。人気声優になって人生一発逆転したい」と声優養成所(そんなものあるのか)へ通いだしたようだ。

川内さんの見立てでは、接客の声が「素敵」と客に言われ、その気になったのではないかとのこと。

しかし、俺は少しほっとした。

森繁は声優にはなれなくとも、少なくともチェッカーで終わる人生から脱出できたわけである。

ぶっちょう面をして、レジ打ちしているよりずっといい。

もし、夢破れたら、またレジに戻ってこい。

微力ながら成功を祈っているぜ!

 

 

※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。

吉田ゴンザブローについて
老人アルバイター

昭和24年生まれ・団塊の世代、吉田ゴンザブローは今日も生きる、生き続ける。「老害」「死んでほしい」と言われようが絶対に引くことはない。『老人アルバイターは、夢はないが、ささやかな幸せがある!』この言葉を信じて、2つのアルバイトを掛けもちする。スーパー老人アルバイター(評論家)・吉田ゴンザブローはブログで生き様を発信し続けます!

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