吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」「死んでほしい」とさげすまされても、けっして引かない姿勢が信条。(写真はイメージ)
老人アルバイター評論家の吉田ゴンザブローです。
昭和24生まれ、尊敬するビートきよし師匠と同い年だ。
最近、俺のバイト先のひとつでもある、弁当工場の仕事がひまで困ってるよ。親元のコンビニの売り上げが軒並み下がってるんだけど、全然稼げないぜ・・・。
話は変わるが、俺は10年くらい前、ちょっとだけ警備員(ガードマン)をやってたんだ。
警備会社っていうと、厳粛なイメージがあるよね。俺たち団塊の世代なら、昔NHKでやっていた「男たちの旅路」を思い出すんだすヤツは多いだろう。
だけど、鶴田浩二はどこにもいなかった・・・。
いたのは、極貧のジジイやババアばかりだったんだ。65歳を過ぎても年金の受給要件のない「無年金」の老人達が、わんさといたのね。
俺とよく同じグループになったババアは68歳だったけど、年金は一銭ももらえず、生活のために毎日現場に出ていた。まさに生き地獄だね。
ババアは、長尾洋子という名前だった。
長尾洋子は、現場ではいつもポケットにぺットボトルの甘いコーヒー飲料を入れていて、仕事中なのにガバガバ飲んでいた。後で聞いてけど、低血糖の時に頓服として、甘いコーヒー飲料が必要だったんだね。
長尾は40歳ころ離婚。子供はいない。なんと年金保険料は1回も払ったことがないっていうんだから、年金をもらえないのはしょうがないよね。市内の団地で細々と一人暮らしをしていた。
長尾は今80歳近いが元気なのだろうか。もうこの世にいないかもしれない。
俺は警備員を2年くらいやって辞めてしまった。いいことがあまりなかったからだ。昨年、「交通誘導員ヨレヨレ日記」(著:柏耕一)なる、高齢の現役ガードマンが奮闘する本が売れたが、俺は全然笑えなかった。あまりリアルで辛くなったからだ。
だから、みなさん、路上などでガードマンさんを見かけたら声をかけてやってほしい。
「ガードマンさん、お疲れ様」ってね。
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