吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
何度かこのサイトで書いたが、俺は10年くらい前に警備員をやっていた。3年ちょいくらいやっていたかな。
だから、俺は、街を走っているクルマを見れば、コイツ警備員だってわかる。
古臭く、錆ついた軽自動車に乗っているヤツは、だいたい警備員だ。軽といっても、最近のおしゃれなものじゃない。やっと動いてるようなオンボロ軽だ。
本当だ。奴らは給料が安いから、人並みのクルマは買えないんだ。
後部座席には、ヘルメット、誘導棒などの一式が積まれていることも付け加えておこう。
警備員のクルマ事情に関しては、初めて警備会社の面接に行った時にすぐわかった。
俺はその時、60歳を超えていたし、警備員の経験も一度もなかったから、おどおどしていた。
「警備員の経験は?」
し、初心者です・・・。
「クルマはありますか?」
マツダ・カペラの2000CCに乗っています。
「カペラ、すごいじゃん!じゃ、採用ということで」
で、すんなり採用がきまった。
後でわかったんだが、クルマの所有者は、よほど身の上に問題がなければ即採用となるらしい。それくらい、クルマをもっている警備員はいないんだ。クルマをもっていれば、他の隊員達の送迎もできるから重宝する。
他の隊員の送迎をすれば、一人当たり300円くれた。俺のクルマは12年前の旧式のものだったが、そのクルマで送り迎えしていた隊員達は、みな口をそろえて、「いいクルマだ」って驚いていた。そりゃそうだろう。他の奴は錆びついた軽しか乗ってなかったんだから。
俺のいた会社では、錆びついた軽に乗っているだけでも、むしろいいほうで、ほとんどクルマをもってるやつはいなかった。
俺は2000CCのクルマだったから、入社当初から大スターだった。
これは10年くらい前の話だが、時給は最低賃金だったはず。そりゃクルマなんか乗れるわけないよね。
だから、警備会社は若い人材が中々集まらないんだ。
ガードマンがいなきゃ、工事もままならない。重要な仕事なんだけどなー。
由々しき問題だね。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
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