吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺は60歳を過ぎてから、様々なアルバイトを経験している。中でも警備員(ガードマン)の経験は大変貴重なものになったよ。
今日も、昔を思い出してガードマンの思い出を語ろうか。
警備員あるある「クルマの置き場所がない」
警備員(ガードマン)やったことがあるヤツなら、誰でも経験していると思うが、現場までクルマで行ったのはいいけど、どこに停めていいかわからいことがしょっちゅうある。
例えば、集合場所が、派遣先の社屋だったら、全く問題はない。その会社の駐車場に停めておけばいいのだから。
しかし、集合場所が工事現場だったら、もはやどこにも停めるところがない。工事車両と称して、作業員のクルマを止めるスペースを確保してあるが、それは派遣先の業者でおさえているから、ガードマンは蚊帳の外なんだ。
けっきょく、路上に駐車するしかないんだけど、住民にヒンシュクを買ったりして、なんだか嫌な感じだよ。
駐車監視員に取り締まられて号泣した爺さん
いつだったか、俺たちは、生活道路の排雪の警備をしていた。
そこに運の悪いヤツがいたんだ。警備中に、駐車禁止区域に駐車していたクルマが、駐車監視員に目を付けられた。
運の悪い男の名は、近藤章夫(62歳)。
華奢な体。はげ。声が通らないダメジジイだった。自他ともに認めるポンコツ男。
俺は、その監視員に近寄り、「このクルマを停めているのは、この町内会で排雪警備しているガードマンだから、取り締まるのはやめてくれませんか」と制止した。
『そんなことは、関係ありません。ここは駐車禁止区域です。では5分待ちますから、このクルマのドライバーを呼んで、クルマを移動させてください。猶予は5分までですよ』
監視員は、そう言ってくれたので、俺は無線で、近藤を呼びつけた。
「あー、吉田です。連絡事項申し上げます。近藤さんいますか、どうぞ。あー、近藤さんいますか、どうぞ」
それを何度か繰り返したが、近藤はうんともすんとも言わない。
ポンコツガードマン近藤は、ほんとにバカで、無線をみんなと違う周波数にセッティングしていたんだな、これが。
『5分過ぎました。駐禁きらせていただきます』
ガードマンの賃金は、おそろしいほど安い。もちろん、警備会社は罰金の肩代わりなどしてくれるはずがない。
晴れて、近藤は日当の約2倍の罰金を徴収されることとなった。
近藤は泣いていた。60歳を過ぎた男が、人目をはばからず大泣きしたのを見たのは、後にも先にもあの時しかない。
ガードマンの皆さん。警備中の路上駐車は、くれぐれもご注意を!!!
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