吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人達が主役の世界 警備会社はこの国の写し鏡である」です。退職後に地獄が待っています。
70代の警備員が路上で倒れバスに轢かれる
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
いやー、恐れていたことが起きてしまったね。
6月14日(月)9時半頃、東京都渋谷のスクランブル交差点近くで、70代の男性が路線バスに轢かれ死亡するという事故がおきた。
その70代の男性は、交通誘導を行っている警備員で、業務中に体調を崩し倒れ、そのためバスに轢かれてしまったということなんだね、これが。
交通誘導をする警備員が路上で体調を崩し倒れるというのは、あってはならないことで、こんな警備員を派遣した警備会社には大いに責任があるが、そもそも若い警備員がいないという重大な背景がそこにある。
数年前に読んだ本で、「警備ビジネスで読み解く日本(著:田中智仁、光文社新書)」には、驚きな事実が記載されていたので一部引用する。
警備業界の場合、「65〜69歳」の構成比は16.8%、「70歳以上」の構成比は9.6%です。これらをあわせると、26.4%になります。すなわち、国際的な定義にあてはめると、日本の警備業界は「超高齢社会」といえるのです。
まさに驚愕である。警備員の26.4%が65歳以上なのである。しかも、70歳以上が9.6%いるのである。
ちなみに、データは「警察庁『平成28年における警備業の概況』」とのことだから、ごくごく最近のものだ。
これだもの、クルマを走らせれば、高齢のガードマンと頻繁に出くわすはずである。
交通整備をするために路上に立っているガードマンが、具合悪くなって倒れることはけっしてめずらしいことではないのである。
「50、80喜んで」 警備会社の面接でそう言われる
俺は、10年位前に警備員をしていたことがある。
そのとき、すでに60歳をゆうに超えていたから、初めての面接では大そう緊張していたのを覚えている。
なぜなら、高齢のため、面接で落とされると思っていたからだ。
警備会社の面接官は「警備員の経験はありますか?」と聞いて来たので、俺は正直に『ありません』と答えた。
面接官は「62歳ですかー」と渋い顔をしていたので、てっきり年齢で落とされると思っていたので、『やっぱり、歳取りすぎてますかね―』とおそるおそる答えたら、全然ちがった。
「いやいや、それほど歳じゃないですよ。『うちは50、80喜んで』みたいな会社だから気にしなくていいですよ」
それで即採用になった。
もう10年くらい前の話だよ。
現場に出たら、そりゃ驚きの連続だった。
俺が初めて現場に出た時のリーダーがなんと75歳だった。リーダーは何もしていなくても手が震えていた。
あと、片側交互通行をしていたら、難聴で無線が使えない65歳のおじいさん。糖尿病で低血糖になった時に血糖値を上げるために頓服として缶コーヒー片手に交通誘導する67歳のおばあさんなど、いつ死んでもおかしくない年寄りがわんさといた。
怖い、怖すぎる。
そんな老人達が平気で交通誘導をやっている。これが、この国の真の姿なのである。
人生100年時代とは、つまりはこういうことなんだよ。夢のない話。
今の若い方や子供達には気の毒だが、君達の将来は地獄といえよう。
なんせ、世の中ジジババばかりなんだから。
俺はなるべく早く死ぬから、優しくしてねー。
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