吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「道路は舞台 ガードマンは役者 老人アルバイター胸に刺さる」です。
現場監督さんの一言で開眼する老人ガードマン
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺は10年位前にガ交通誘導のガードマンをやっていたことがある。
そこで、とある現場監督さんからいただいた素敵な言葉をみなさんに知らせたい。
あれは、鹿川土木工業さんの現場に毎日行っていた頃だ。
その頃、俺は入って1月目で、何をどうしていかわからず、おどおどしていた頃だ。
見かねたイナバさんという現場監督が、無線で俺に話しかけてきた。
「電信柱の前にいるメガネのおじさん、真後ろを見てごらん」
振り返ると50メートルくらい後ろに、業務車両の運転席に座るイナバさんが手をふっていた。
「あんた、新入りか?」
『はい、まだ1月経つか経たないかといったところです』と言うな否や、イナバさんは説教ではなしに、この仕事の心構えを教えてくれた。
「あのねー、交通誘導って、行くのか止まるのかを知らせる仕事なんだけど、忘れちゃいけないのは、相手は全員初対面の人ということなんだよ。家の人間に伝えるのと全然違うことをやっているんだ。だから、あいまいな誘導はやっちゃいけないんだ」
イナバさんは、高校を出てから家具職人を目指して8年間修業をしていた。あともう少しで一人前になる頃、その街の家具業界がぽしゃってしまい、都会に出て警備員になった。しかし、給料が安くて、建設業界に再転職した苦労人だ。
「知らない人に合図するって、そりゃ命がけでやらなきゃ。普通の5倍いや10倍くらいのテンションでやらなきゃだめだ。交通誘導ってパフォーマンスだってことを忘れるんじゃねーよ。道路は舞台。ガードマンは役者なんだよ」
目からウロコな話だ。
俺は、その日を境に、見違えるように動きがよくなって褒められた。
やっぱり、コーチングって大切だ。
道路は舞台。ガードマンは役者。
何ともいい言葉である。
俺は、今でもイナバさんを尊敬してるよ。
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