吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
コロナ禍で何が心配かって、やはり風俗業界の存続だな。嬢たちは元気にやっているか。ちゃんと飯喰っていけてるか。
まー、それはそうと、今日は、アイキャッチ画像をおしゃれなお花できめてみた。なぜだと思う。これから語る話があまりにも悲しい話だからだ。
せめてもの償いとして可愛い写真を貼らせてくれ・・・。
先日、葬式があった。
老人アルバイター仲間、新浦義男が死んだ。
享年67歳。
去年の11月、老人アルバイター仲間3人でお見舞いに行った。
新浦は、末期のガンで、余命いくばくないとのことだった。身体は痩せこけて、38㎏まで落ちていた。
あまりしゃべれる状態ではなかったので、すぐにおいとましようとしたその瞬間である。
俺たちの帰りしな、新浦はこうつぶやいた。
「なー、俺は今までスカトロ愛好者にあったことがない。1人くらい会いたかった。会って色々聞きたかった」
たしかに、スカトロ愛好者はどちらかと言えば、マイノリティかもしれない。そうそう会えるものではない。
しかし、俺は以前のバイト先で、スカトロ愛好者に一度だけ会ったことがある。そう伝えると、新浦の頬に涙がつたった。
それが、俺たちの聞いた、新浦の最期の言葉だった。
新浦は、ホントはそんなことはどうでもよくて、くだらない話をして俺たちを楽しませようとしていたのかもしれない。
最初はそう考えていた。
しかし、葬式の席で、新浦はホントにスカトロのことを知りたかったんだと思うようになった。
老人アルバイターの現場に行くようになって、10年以上になるが、色々な性癖の男達に出会ってきた。
そのどれも素敵な話だった。「特殊」な性的嗜好について語るマニア達は一様に目が輝いていた。
彼らから、どれだけ元気をもらったものか。
新浦にも、何か語りたいことがあったのではないか。いや、新浦自身がスカトロジーなヤツだったかもしれない。
俺自身、スカトロ愛好者の気持ちはよくわからない。
しかし、そんなことはどうでもいい。
生きていりゃいいよ。SMだろうが、スカトロだろうが。
みんな元気でいてくれよ。
新浦。お前の代わりに、スカトロジーなヤツと沢山出会って、色々話を聞いて、お墓で報告させてもらうよ。
それまで、待っててくれよな!
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