吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人アルバイターの特徴を分析。「老人アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。「老害」とは言わせんぜ!
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
早いもので、一月も3分の1すぎちまったね。
ま、俺はそのうち死ぬからどうでもいいや。
さて、精神保健福祉士の斉藤章佳先生の著作、「セックスの依存症」(幻冬舎新書)を読んだ。すごい作品である。
そこに興味深い箇所があったので、一部引用したい。
親の悪意のない行動が、結果として見えない虐待となるケースがあります。「プライマリーシーンの目撃」です。これは子どもが親の性行為を目撃して外傷体験になってしまうというもので、臨床現場ではしばしば当事者から告白されます。
(略)
そして、その強烈な記憶がトラウマとして、記憶に植えつけられていきます。
やがて大人になると、そのトラウマを癒すために盗撮行為やのぞき行為がやめられなくなったり、強迫的な性行動に耽溺したりするケースがしばしば見られます。(P75)
なるほど、俺にもその「プライマリーシーンの目撃」の経験がある。
あれは俺が5才の頃の話である。詳しくは覚えていないのだが、俺は5才にして不眠症に陥っていた。なぜか夜中に目が覚めてしまう。
俺は6人兄弟の末っ子で、一番上の兄貴は一回り年上。すぐ上の兄貴とも4つ離れていた。
なので、親父とお袋といわゆる川の字状態で寝ていた。
ある晩、目覚めたら、親父が仁王立ちになり(両手は腰)、正座したお袋がちんちんをペロペロしているところを目撃してしまう。
もちろん、5才だったので、何をしているかわからなかったし、それがエロいことだという認識もなかった。だから正確にいえば「プライマリーシーンの目撃」ではない。
トラウマの元となる「事件」がおきたのは翌日だった。
お袋が、回覧板をもってきた高岡さんの奥さんと玄関で話が盛り上がっている時に、俺は悪気なしに「おばさん、お母ちゃん、昨日お父ちゃんのちんちん食べてたんだよ」と無邪気に話してしまったのだ。
高岡さんの奥さんは、「あらー、そうなのー」とひきつった顔で笑っていたが、お袋はまっ赤になっていた。その後空気は凍り付いた。
その後俺は、ボコボコに殴られた。そして押し入れに閉じ込められた。
意味がわからなかった。
あの「事件」で、俺の天真爛漫な時代は終焉を迎える。
そして、性癖はゆがみ、砂を噛むような人生が続いた。
あの「事件」以来、今に至るまで、一度も心が晴れたころがない。
あれが俺の「プラマリーシーンの目撃」である。
断言する。
俺は悪くない。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
コメント