吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年生まれの団塊の世代。シニア世代を代表し、老人の「アルバイト列伝」を日々発信。某私立大学経済学部卒。中小食品メーカーに入社。部長職に上り詰めたが、定年退職手前で会社が事実上倒産。現在はとある事情から、スポーツクラブの会員専用駐車場と大手コンビニ弁当工場のダブルワーカー。今日のテーマは「老人アルバイターはなぜ「NHKのど自慢」を好むのか?」です。
老人アルバイターの憩い場 NHKのど自慢
前日、なぜ老人アルバイターは、桂文枝師匠の「新婚さんいらっしゃい!」を好むのかについて投稿した。
今日は「NHKのど自慢」と老人アルバイターの相関関係について言及したい。
老人アルバイターには「NHKのど自慢」を毎週見ているヤツが多い。
高校の校長をやっていたという、長谷川吉蔵(64歳)は大の「のど自慢」ファン。
日曜日の昼、必ず見ているという。
いつか、日曜日のシフトで出勤になった時があって、俺と長谷川のふたりで、休憩室のテレビで「のど自慢」を見たことがあった。
その時の長谷川のはしゃぎぶりは、今でも忘れられない。
俺は「のど自慢」否定派だから、最近はあまり見ることはないんだが、久しぶりに見たそれは、ただただバカな素人がはしゃぐだけの、くだらない番組のひとつとしか思えなかった。
あれのどこが楽しいのだろう?
老人アルバイター「NHKのど自慢」を好きなヤツが多い理由
これを機に、俺の知る限りの老人アルバイターに、「NHKのど自慢」についてどう思うかのアンケートをとったことがある。
老人アルバイターと「のど自慢」の相関関係について調べているうちに一つの答えに行きついた。
ここにも、「新婚さんいらっしゃい」の分析同様、ひとつの共通点があるのだ。
「NHKのど自慢」肯定派は、大半が大企業の管理職経験者なのである。
ただの素人参加型番組とあなどるなかれ、「NHKのど自慢」の演出はとても巧妙になされている。
だいたい、トップバッターは若くて元気のいい若者(なぜか角刈り)で、歌はへただけど元気だけが取り柄のヤツ。必ず、鐘は1つ。
その後、ゲストのプロ歌手の持ち歌を歌うぱっとしない女。ゲストの歌手が肩に手を置いてくれたことで感激し涙。そして、鐘は2つ。
真ん中あたりで、ちょっと歌のうまい人が出てくる。はじめての合格者だ。しかし、なぜかこの合格者は作業着を着ていたりする。
「トラックのドライバーをやってます。皆さまに愛を込めて家具をお届けしております!」なんてほのぼのした感じを醸し出す。
その他、ブスな女3人組。来月子供が生まれるという実直そうなお父さん。
もうおわかりだろう。
これは、まさに、30年くらい前の会社の忘年会の再現なのだ。
元管理職の老人アルバイターは、現役時代の忘年会でのワンシーンをここで思い出し、つかのま、過去の栄光に酔いしれているのだ。
トップバッターの元気だけが取り柄の若者が新入社員。プロ歌手に肩に手をおかれて涙するぱっとしない女はお局さん。そして、その女を励ますプロ歌手は部長である自分をイメージさせている。
トラックドライバーをやっている合格者は、窓際のおっさん社員。活躍するも最早ライバルというわけではないので、いくらでも上から祝福できる。
これだも、楽しいはずだよ。
また、総じて出演者は、上級国民をイメージさせる人はいない。
めちゃめちゃイケメンで、「9番、IT企業経営者、年収2500万円。「Rー指定」の○○を歌います!」なんてヤツばかり出たらぜったいに見ないはずだ。
そういえば、件のトラックドライバーが「皆さまに愛を込めて家具をお届けしております!」って言った時、長谷川は『いいぞー、ガンバレ!』って声を上げたんだよ。
バカすぎる。
老人アルバイターはほんとしょーもないヤツばかりだよ・・・
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
コメント
ちなみに司会のアナウンサーは、報道にもスポーツにもいけなかった出世の見込みのまったくないけど地方にも飛ばされたくない、生涯窓際として開き直った明るい人たちです。長谷川さんは知らないだろうな…
池上先生。コメント誠にありがとうございます。
NHKのアナ事情、貴重な情報ありがとうございます。大変勉強になります。
「吉田ゴンザブロー」は今年の7月いっぱいまで続けていく所存です。
たまに、遊びにいらしていただければ幸いでございます。