吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人警備員列伝 テキヤの侵入を防衛するアルバイター」です。人生100年時代。今からでもおそくねーぜ!
地元お祭り会場の駐車場警備はつらかった
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
地元のお祭り会場の駐車場の警備をやったことがある。
いや、正確にいえば違うな。お祭り会場の近くにある公的施設の駐車場にテキヤやお祭りの一般客がクルマで無断駐車しないように、番兵する警備だ。
その公的施設は、一等地にあるんだけれど、普段はそんなにクルマで来る人がいない。ちなみに駐車スペースは30台あるが、ほとんど使われることがない。
しかし、お祭りとなるとそうではなく、一般客だけではなく、テキヤ関係者が店の設営などのため、そこにトラックなどで来て、荷物の搬入をしたりする。そして、一日中販売のため駐車している。
テキヤって、つまりヤクザなんだけれど、そいつらを施設駐車場に入れないよう、俺達警備員が見張ってるということ。
しかし、丸腰の俺達に何ができるんだというんだ。
朝、その公的施設の担当者に挨拶にいった。
「今日、駐車場の警備に参りました吉田です。宜しくお願い致します」
『テキヤだろうが、なんだろうが、ぜったいに駐車させないでください。そのためにお金払ってあなた達を呼んでいるんだからね』
いきなりの脅しである。
しかし、考えてほしい。俺達は警察でも何でもなく、ただの最低賃金のアルバイトである。
どうせいというんだ。
隊員は俺ともう一人ベテランのガードマンさんがいたが、派遣先担当者の「脅し」にすっかりやる気をなくした俺は、早く帰りたかった。
凄まじいテキヤの突破力 若い衆の脅しに早くも屈する
現場に付くなり、矢継ぎ早にテキヤは現れた。
トラックやベンツ(テキヤを仕切っている地元の暴力団などが乗ってくる)が次から次にやってきた。そういうクルマのナンバーはたいがい「・・・1」とか「8888」なんてヤンキーが好みそうなヤツばかりだ。
誘導棒をもって、「はい、ストップー。こちらの施設ご利用ですかー?」と言い切る前に、「やかましー」、「どけー」と言って突破していく「反社」の面々。
その時、俺達を心配して、来ていたのが、俺が働く警備会社の立川総務部長。彼は警察OBで、元マル某刑事だった人だ。
立川部長はふがいない俺達を鼓舞するかのように、テキヤの面々を怒鳴りつけ、追い返してくれた。
『おい、お前らヤクザか?ここは○○署の待機場所だ。お前らの止めるとこじゃねー。今度そんな態度したらぶっ殺すぞー』とテキヤ達を蹴散らしてくれた。
頼もしいなんて思ったのもつかの間、『吉田さーん。あんたは大人しすぎる。これくらいやらないとだめだよ。じゃーねー』と言ってすぐにいなくなった・・・。
『俺の昔の部下』とかいう刑事のケータイの番号を教えてくれて、『何かあったら、こいつに電話かけなさい』とだけ言って、その後二度と現れなかった。
けっきょく、その日もその次の日も、テキヤやヤクザにさんざんいびられ、おまけに公的施設の担当者にも「役立たず」呼ばわりされ、俺達はボロボロになって帰ってきた。
たぶんだが、俺は半べそをかいていたと思う。
神様は超えられない試練を与えないというが、あれはウソだ。
60歳を過ぎて、何であんなに怒鳴られなきゃならないんだ・・・
ちなみにその時、地元テレビ局の夕方の番組のレポーターとして来ていた小橋亜樹なるローカルタレントを見た。
とてもブスだったことだけは覚えている。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
コメント