吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人アルバイト下流列伝 無年金ほどみじめなものはない」です。退職後に地獄が待っています。
年金を3ヵ月しか払っていなかった老人アルバイター
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
自分のことを棚に上げて言わせてもらうが、下流老人の中でもガチ中のガチって言われるような老人アルバイターはけっこういる。
そんなヤツを今まで沢山見てきたが、現在の同僚でもそのような男がいる。
春日一郎(70)だ。
春日は、正真正銘の無年金老人。
今までの年金保険料納付期間は3ヵ月しかないんだって。
3ヵ月だよ。3ヵ月。
人生で一度もサラリーマンをやったことのない春日は、ほとんど年金を払ったことがないのである。
春日は、高校を出てから、就職せず、キャバレーなどでバンドマンをやってしのいでいた。
10年近くバンドマンをやって、20代後半から居酒屋を経営。その後20数年なんとかやっていけたが、50歳でガンが発覚。
すぐ入院、手術し寛解したが、当然健康だった頃に比べ体は動かず、居酒屋を廃業。
父親の遺してくれた不動産や株式を売却し、なんとか生き延びた。
そして、50代後半から社会復帰したものの、働く場所がなかった。ていうか、そもそもできることがない。
老後に年金を受給できない 地獄とはこのことである
春日は、ガンが寛解した後、50代後半で社会復帰したが、立ちはだかる現実を目の前にし、絶望の淵に立たされてしまったという。
「高校を卒業してから、サラリーマンをやったこともなく、何のスキルもない。50代後半でどこも使ってくれるところがないんです。それこそ、フリーターのレベルでしか働けない。将来への不安で不眠症になりました」
それだけではない。春日は60歳になって自分は年金保険料を3ヵ月しか納納付していないということに気がつく。
「正直、年金なんて考えたことがなかったんです。どうにかなるさー、ってなかんじで生きてきた。いやー、年金くらいはきちんと払っておくべきでした。もう地獄でしかありません」
老齢年金は25年間払わなければ受給できなかったが、何年か前に法律が変わり10年まで短縮された。
しかし、春日が3ヵ月しか年金を払っていない。もはや手遅れである。
「親父が遺してくれた株やら不動産があったおかげで、何とか今までやってこれましたが、それも尽きてきました。やっぱり、まじめに働くのが一番です。若い人は年金をもらえないで70歳を迎えることがどんなにみじめなものか理解できないでしょうね」
後悔さきに立たずとはこのことである。
春日が死ぬまでバイトをし続けるという。
俺も人のことは言えないが年金はまあまあ出ているから、そこまで地獄ではない。
でも、お互い70歳を過ぎてもバイトをかけ持つ身。
励まし合いながら、がんばろうね。
そういや、今日は6月15日。年金支給日だ。
銀行や郵便局のATMは、ジジババであふれかえることが予想されるので、みなさんなるべくATMの利用は避けたほうがいいよ。
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