吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「老人マラソン列伝 フルマラソンに挑んだ老人アルバイター」です。「老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブロー」、記念すべき300回です。
フルマラソンを完走する老人が増えている
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
俺のバイト先のひとつ、スポーツクラブのお客様専用駐車場。
今やスポーツクラブは、デイサービスと化しており、暇を持て余した老人達がひしめいている。
しかし、中には逞しい老人グループもいて、フルマラソンをサブ4(4時間を切ること)で走るヤツもけっこういる。
年に1度、地元でも全国区のマラソン大会があるのだが、そこに向けて毎月400〜500㎞走ってるんだって。(去年も今年もコロナで中止)
それはそれで凄いのだろうが、俺はマラソンに全く興味がない。
だから、マラソン老人達にはシンパシーはいっさいないし、何が楽しいのか全くわからない。
「すごいですねー」と言っている俺は、死んだ魚の目をしている。
人工関節を入れてフルマラソンに挑んだ老人アルバイター
俺は、マラソン老人にはいっさい関心はないが、影響を受けてマラソンを始めたバカモノがいる。
下河原貴史(当時62歳)は、マラソン老人達の「あんたもマラソン始めなよ」という社交辞令を真に受けて、なんの経験もないくせに、マラソンを始めてしまう。
下河原は、バカでお調子者だったが、人懐っこく、スポーツクラブのお客さんとは、やたらと無駄話をしていた。
「俺、来年の○○マラソンに出ることにしたんですよ」
キレのいいところで9月1日から、ランニングを始めると・・・。
最初の10日間は毎日3㎞走り、徐々に増やしていく計画を立てていた。
下河原はジジイのくせにおしゃべりが過ぎる男で、「アディダスのジャージーを買った」だの「マラソンシューズを買った」だの「昨日から4㎞走った」だの、どうでもいい情報を提供してくれていた。
うっせーなーと思っていたが、ある日を境に下河原はマラソンの話題をしなくなった。
どうした?と思っていたが、下河原はマラソンを始めて13日目、ランニング中に右膝人工関節がはずれ、道端で倒れて救急搬送されたとのことである。
担当医から、「人工関節入れている人がマラソンやっちゃダメだよー」とあきれられて、マラソンを断念することになった。
下河原のマラソン人生は13日で終焉を迎えてしまうのである。
人工関節入れて、フルマラソンやるってバカじゃないのかい?
下河原に残されたのは「おしゃべり」しかなくなり、その後手品を始めました。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
コメント