万引きGメンを1日で辞めた老人アルバイター

警備員はつらいよ

吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家) 

昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「万引きGメンを1日で辞めた老人アルバイター」です。老人アルバイターはみなさんのの幸せを祈るのみである。

 

万引きGメンに挑戦した老人アルバイター

老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。

俺は昔、警備会社で万引きGメンをやっていたことがある。

しかし、辛くてすぐやめてしまった。

やっぱり万引き犯を捕まえるのは、勇気がいるよ。

俺みたいに気の弱い人間が、犯罪を犯している人間を現行犯で捕まえるというのは向かないんだろうね。

万引きGメンとは、その名のとおり、スーパーで万引きをした客を捕まえて、事務所に引き連れ、店長に引き渡す仕事である。

万引き犯に対するスタンスは店ごとに違う。

「1件たりとも見逃すな!」という店長もいるが、「へたに誤認して、あとでもめるとめんどくさいから無理しないでねー」というところもある。

最初、研修で派遣されたのが、前者のほうだった。チエーンストアーで小さい店舗。

先輩Gメンは、60代の警察OBのゴローさん。

ゴローさんは、目がとてもキツイ、筋金入りのGメン。

「ここのスーパーは異常に万引きの件数は多い。ひとりたりとも見逃せないよ」と教えてくれた。

たしかにそこの万引き事件の頻度はすごかった。

セロリ1本を持ち出すお婆さん。ヘアカラーを盗む高校生。アスパラを紙袋に入れて持ち去る若い奥さん。

そのどれも、先輩Gメンは店の外まで走って追いかけ、捕まえては事務所に連行させていた。

その現場は凄まじく、俺はその時にすでに辞めることを考えていた。

見ているだけで、足がふるえてくる。

 

マグロ解体ショーで大事件勃発!

4日ほどの研修期間を終え、独り立ちというか、正式に違う店舗に配属された。

そこは大型店で、ちゃんとしたした防災センターがあって、俺はその傘下で働くことになっていた。

「誤認して、裁判沙汰になるリスクを考えて、無理して捕まえないでください」というゆるい店舗だった。

これなら、続けられそうだなぁとホッとしたのを覚えている。

しかし、大型店舗には色々と問題があるものだ。

その日、魚屋で「マグロ解体ショー」が催された。

当時、マグロ解体の催事はけっこう流行っていて、職人さんをどこかから連れてきて、ショーをやるんだけど、それを目当てですごい人が集まってきた。

そこで事件が起こる。

人混みの中で、黒い帽子にメガネをした50代の「怪人21面相」みたいなおじさんが、同じく解体ショーを見に来ていた30代の若い奥さんの腰におちんちんをなすりつけるという「チン事件」が勃発してしまうのだ。

俺は見て見ぬふりをしていた。

俺は万引きGメン。万引き犯を捕まえるのが仕事だ。

ちんちんを女性の腰になすりつける「怪人21面相」を捕まえるというミッションはない。

知らぬ存ぜずをとおしていたら、店のマネージャーが近づいてきた。

「あれやばいよ。あんたGメンでしょ。注意しなよ。女性震えているよ」と言ってどこかに行ってしまった。今考えたら、このマネージャーとんでもなく無責任だ。

5分以上、そのおじさんはニヤニヤしながら、女性に腰をなすりつけていた。女性は固まっていた。

俺は声をかけようかと葛藤していたが、気が付けば「怪人21面相」はいなくなっていた。

ほっとしたとともに、こんな事件に今後何度も立ち会わなければならないのはゴメンと、俺はその日で仕事を辞めてしまった。

それにしても、マグロ解体ショーでマグロ状態になる女性。

シャレにもならない。

これは本当の話である。

 

※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。

吉田ゴンザブローについて
老人アルバイター

昭和24年生まれ・団塊の世代、吉田ゴンザブローは今日も生きる、生き続ける。「老害」「死んでほしい」と言われようが絶対に引くことはない。『老人アルバイターは、夢はないが、ささやかな幸せがある!』この言葉を信じて、2つのアルバイトを掛けもちする。スーパー老人アルバイター(評論家)・吉田ゴンザブローはブログで生き様を発信し続けます!

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