吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト伝説」を毎日発信している。サラリーマン時代はは経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは「団塊の世代の象徴・村西とおるの人生相談に涙する老人」です。
働くことの重要性を説いた村西監督
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
やっぱり団塊の世代っていえば村西とおる監督だよね。
前科7犯、50億円の借金をしようが、くじけぬ心で前へ向かう姿に、我々団塊の世代のみならず、勇気をもらっている者は少なくないだろう。
先日、村西監督の著書「全裸監督が答える 不道徳で世界一まっとうな人生相談(講談社)」を読んだ。悩める市民が人生相談をし、監督が答えるといったQ&A式のものである。
まさに、「ファンタスティック!」といった内容であった。
一例をあげれば、定年間際の校長先生(60歳)が「再任用で働く選択肢があるものの、仕事をする気力がなく、もう学校にかかわりたくない」といった悩みに対し、村西監督の回答がふるっていたので一部摘記する。
(略)。
いかに忌まわしい職場であっても、その自分が生きていた空間がなくなり、日常を失うことでの備えができておられるかと、いささか心配です。
(略)。
が、今日では寿命100年の高齢化時代を迎えています。まだその若き身空で早々とリタイアし、年金暮らしをしながら石磨き、庭いじりや孫の世話にウツツを抜かそうなど埒外のことです。
(略)。
あなたさまに求められているのは生涯現役の心意気、そのよわいで無職となっては早漏のそしりは免れまぜん。
「早漏のそしりは免れまぜん」とは今一つわからないが、村西監督は、リタイヤしたいとなげく現役校長に働くことの重要性を説いている。
「日常を失うことでの備えができておられるかと、いささか心配です」という言葉は優しくも重たい。
これは経験したことがなければわからいことであろう。
私も、60歳で会社を辞めたとき、いつまでも寝ていられる「甘美な朝」を満喫できたのは、わずか1週間にすぎなかった。
それからは、孤独と不安との戦いで、気が付けば意味不明に出かけ、近所の古びた本屋でエロ本を立ち読みする日々を送っていた。
人間にとって、朝起きて行くところがないということほど、辛いことはない。
また、仕事を離れ「フリー」の身分になるということは、後ろ盾がないため、誰も守ってくれない。
仕事もせず、プラプラしている60代の初老おやじに対して、世間の目はおおろしいほど冷たいということを理解していない輩は多すぎる。
その覚悟ができていないやつらに、「のんびり過ごしたい」などめったなことを言うではないと、村西監督は教えてくれたのである。
これを読んで、ジーンとなった。
さすがは村西監督。
心の中で「ナイスですね!」と囁いていたのは過言ではありません。
※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。
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