吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)
昭和24年1月2日生まれ。73歳老人。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「老人の承認欲求ほど気持ち悪いものもない」です。
承認欲求はけっして悪いものではないが・・・
老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。
老人アルバイターの現場で、極端な承認欲求を抱えている年寄りをよく見かける。
あれほど気持ち悪いものもないね。
承認欲求じたいを否定しているわけではない。
老人の極端な承認欲求が嫌いなだけだ。
顕著に症状が出ているのは、たいがいは一流企業の管理職経験者である。
今は、最低時給労働者のくせに、やたらと、高圧的で自慢話をひけらかす。
あれはなんなのか。
最近読んだ本で、「日本人の承認欲求 テレワークがさらした深層(著:太田肇、新潮社)に興味深い文章があったので一部適記したい。
すでに述べたように日本の会社には共同体的な側面があり、役職の秩序は単なる役割の上下関係にとどまらず、「偉さ」すなわち人格的な秩序の色彩を帯びている。
(中略)
そのため出世した人はトーナメントの勝者であり、周囲から実力と人格を認められると同時にうらやましがられる。たとえていうなら会社は観客がいる競技場のようなものだ。
なるほど・・・。
そう考えると、一流企業の管理職というのは、さしずめ承認欲求トーナメント大会のファイナリストと言えるのではないか。
「おらおら、どうだ、俺ってエライだろー」と戦い続け勝ち上がった者達は、いくら60代後半や70代になろうとそう簡単に落ち着くはずはない。
しかし、ひとつわからないのが、年を取ったら、少しはトーンダウンしそうなものではないかということ。
自己顕示欲が旺盛なのはわかるが、エライ人選手権で勝ち上がり、すでに、じゅうぶん承認欲求を満たせたのではないか。
ヤンキーは、中1くらいでぐれて、いいだけ悪さして、暴走族で暴れたとしても、20歳で卒業する。
そして、早めに結婚し、子供を作り、いい親として、大人しく生きていく。
ならば、大企業の元管理職も、いいジジイとして大人しく生きていくべきじゃないのか。
そういや、20年くらい前、ダイエット食品のCMで、ダイエットに成功した利用者を集めた「コンテスト」の受賞挨拶みたいなものが流れていたのを思い出す。
痩せて、「美しく」なった40歳くらいの女性が、涙ながらに「痩せて主人に女として見てもらえた」と語っていたシーンが印象的だった。
なんだ、これはと俺は思ったよ。
気持ち悪いんだよってね。
40歳すぎたら、見た目もだいじだろうが、中身じゃねーのか問題は。
痩せて、旦那とコーマンでもして、それでどうすんだよって考えたのは俺だけじゃないだろう。
痩せて泣くのもいいけど、本の1冊でも読んで、教養を積んだらどうかね。
人生とは、人に見せるものではない。
テレフォン人生相談の加藤諦三が、そう言っていたよ。
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