皮質基底核変性症の老人アルバイターの誕生日の話

老人アルバイターと健康問題

吉田ゴンザブロー(老人アルバイター評論家)

昭和24年1月2日生まれ。73歳老人。シニア・団塊の世代を代表し「老人アルバイト列伝」を毎日発信している。サラリーマン時代は経理部長を務めていたが、現在はアルバイトを2つかけもつ下流老人。今日のテーマは、「皮質基底各変性症の老人アルバイターの誕生日の話」です。

 

病気の老ター仲間から電話「俺のぶんまで楽しんでくれ!」

老人アルバイター評論家・吉田ゴンザブローです。

皮質基底核変性症という神経の病気になった老人アルバイター仲間がいた。この病気は指定難病でとても重たい病気である。

大脳皮質基底核変性症(指定難病7) – 難病情報センター

その男の名は山本義男(67歳)。

3年くらい前から、やたら転ぶようになり、おかしいなと思っていたら、とても重い神経の病気だった。

徐々に体が思うように動かなくなり、バイトもやめてしまった。

今は、ほぼ寝たきりで、自分の力でできることはほとんどない。

今日、そんな山本の奥さんから電話が入った。

「吉田さんですか。山本の家内です。ちょっとお待ちください、主人に代わります」

この病気は、言語にも障害を及ぼす。奥さんに促されて電話に出た山本の言葉はとても聞き取りづらいものだった。

「ようは、おえのあんじょうい。お、おえのうんまでた、た、たおしんでうえ!!!」

通訳するとこうだ。

「今日は、俺の誕生日。俺のぶんまで楽しんでくれ!!!」

体が思うようにいかない山本は、自分の誕生日なのに酒も飲めない。俺のぶんまでお前ら楽しんでくれということだろう。

『山本、わかったよ。今日はうまいもんでも食って、美味しい酒でものませていただくよ』

そう答えて電話を切った。

しかし、よく考えてみれば、今日は夜バイトで酒など飲んでいられない。ていうか、俺の持病があり酒はとおの昔に止めていた。

美味しいものったってそんな金がない。

山本のかわりに何をどう楽しめばいいのか。

考えたあげく、AVポータルサイトの500円の動画をレンタルし、はげしくオナニーした。

俺は、山本のかわりにAVを楽しみ、大いに射精したんだ。

ただの自慰行為と笑うなかれ。そんな些細な日常生活も、山本にしてみれば、夢物語なんだよ。

俺はいつまで、自分の意思で動けるどろう。

山本のことは、けっして他人事ではないのだ。

 

※当サイトはある人物の依頼により立ち上げました。当サイトに登場する人物や職場などはすべて架空のものですが、実在する人物に取材をし、その方の話をモデルにし、本人と特定できないように大幅に修正しております。

吉田ゴンザブローについて
老人アルバイター

昭和24年生まれ・団塊の世代、吉田ゴンザブローは今日も生きる、生き続ける。「老害」「死んでほしい」と言われようが絶対に引くことはない。『老人アルバイターは、夢はないが、ささやかな幸せがある!』この言葉を信じて、2つのアルバイトを掛けもちする。スーパー老人アルバイター(評論家)・吉田ゴンザブローはブログで生き様を発信し続けます!

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